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歯科医療に従事なさっている皆様へ

歯科医療に従事なさっている先生方の中には、無資格者が口腔内に触れる事を懸念される方もいらっしゃると思います。平成17年7月26日各都道府県知事あて厚労省医政局長通知において、「日常的な口腔内の刷掃・清拭において、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れを取り除き、清潔にすること」は、歯科医師法第17条の規制の対象とする必要が無いものであるとされました。即ち、無資格者による口腔刷掃が生業として可となったのです。他にも、爪を切り、ヤスリをかける事や、耳垢を除去する事などが医師法の範疇外とされました。これを受け、耳垢掃除の店舗が多数展開されたことは、ご承知の事と思います。

ガムマッサージは無論の事、治療を目的としたものでは無く、あくまでもヒーリングを目的としたものです。従いまして、歯科医師法の範疇の外となりますが、口腔についての知識の無い者が見様見まねで行う事によるリスクは、当然の事としてあります。
従って、歯科治療の専門家である歯科医師及び歯科衛生士が、その専門知識を持ってして指導する事が不可欠であると考えます。

近年、歯科医療における需給バランスの崩壊が、歯科医医療を取り巻く環境を非常に悪化させていることは、ご承知の通りです。しかしながら、本当に供給が需要を上回っているのでしょうか?40代以上で有病者率90パーセントとも言われる歯科疾患は、国民病といっても過言ではありません。しかしながら国民の歯科診療所受診率は、3パーセントを下回っています。なんと治療を必要としている方々の2.7パーセント程度しか治療を受けていないのが現状なのです。

それでは、なぜ国民は歯科治療を受けないのでしょうか?「痛いし、高いし、怖いし、治療に時間がかかるし、放っておいても死なない」といったところが理由としてあげられるのでしょう。
実際は、「痛くもないし、高くもないし、怖くもないし、放っておけば、他の疾患を増悪させる要因となり、物を噛めなければ寿命が縮まる」のです。人々の間に、歯は、生きる為の栄養を摂取する非常に重要な器官であるという認識が欠けているのです。指を洗わなければ指が溶けていくという病気があったら、皆さん、必死になって手足の指を洗うのではないでしょうか?
指は、両手両足合わせて20本。歯は、28本。同じように必要不可欠な体の器官ではありませんか。
理由は何であれ、人々にとって歯科医院は、敷居が高いのです。歯科医院に来ないから虫歯や歯周病の発見が遅れ、痛くなって我慢できなくなってから仕方なく来るから重症化していて、「治療が痛くて、時間がかかって、高い費用がかかる」のです。

歯周病や虫歯、歯の欠損があるにも拘らず、気付かず気にせず治療に来ない方々に、治療の必要性を気付いてもらう方法は無いものでしょうか?学校検診や企業健診、自治体独自の節目検診など、検診事業も一つの方法でしょう。
しかしながら、学校検診以外は法制化されておらず、その義務化が期待されるところですが、法整備は遅れています。もしも、全国に多数存在するエステやマッサージやヒーリングのお店で、ガムマッサージを受けた時に「穴が空いている歯がありますね。」とか、「歯が無い所は、早く入れた方がいいですよ。」とか、「マッサージの時、少し血が滲んだので一度診てもらったらいかがですか?」などとアドバイスされたら、歯科医院に行く事を躊躇している人や、歯科疾患に気付かずにいる人の背中を押してあげる役割は、できるのではないでしょうか?もちろん、「虫歯がありますねとか、歯周病のようですね」などと言ったら、診断行為になり無資格者には許されませんが、「穴があいている」や「血が滲む」や「歯が無い」などの指摘は、無資格者でもできる実態の表現ですから、何ら問題にはなりません。

受診して来るのを座して待つのではなく、他業種とリンクする形での啓蒙ができれば、それに越したことはありません。狭量な権利意識ではなく、広く既存の業態と共に国民の意識向上に役立てれば、素晴らしい事だと思います。あらゆる疾病治療の究極の目的は、その疾病自体を無くすことです。私達は、50年後、歯科医師がいない社会を目指すべきです。歯科疾患が無い、即ち歯科医師を必要としない社会こそが、我々歯科医師の目指すべき社会だと思います。その社会の実現に向けて、どのような些細な事でも実践すべきだと思うのです。歯科医師、歯科衛生士の方々の受講も受け付けていますので、お気軽にお申し込み下さい。

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